青森と旅情

青森に行くたびに、心の奥から安らぎを覚える。
決して僕は青森の生まれではないし、両親も違う。
だが、八戸から特急に乗り、青森市に近づく浅虫温泉あたりで
「いいなぁ・・・」と思う。
そのあたりの景色を見ると、旅情が感じられる。
旅に来たなぁと思い、列車は本州最北の青森の地を駆ける。

青森駅に着くと、一瞬不安になる。
青森に着いたけど、なにをしよう。
前々から計画は立てているのだが、実際その場所に着くと、
頭が真っ白になる。
この計画通りに行って、この旅行がうまくいくだろうか。
ホテルは変更できないが、行く場所はその場で決めてもいいのではないか。
別におもしろくとも、つまらなくともいい。
重要なのは、その場所でなにか思い出ができればいい。
楽しい思い出でも、つらい思い出でもいい。
いま自分が「旅しているな」と実感し、旅が好きならばそれでいい。
旅嫌いになってしまえば、僕は死ぬ。
生きがいがなくなってしまう。

家族から見ればこんな何度も旅行に出かけて、あんたバカじゃないとか
少しは貯金したらなど言われるが、
僕は旅をしなければ心がすさんでしまう。

そして今日も僕は次の旅の計画を立てている。