山陰地方のイメージ

中国地方のなかの「山陰地方」
山陰と聞いて「暗い」「陰鬱」などマイナスなイメージをする人が多いと思いますが、
僕にとってはむしろ「暗い」などのイメージはあまりないです。
神々が集う「神秘的」な山陰、京都・大阪から西日本(九州)へ行きやすい山陽よりは、
交通網があまり発展せずアクセスがしづらい山陰は、どこか「懐かしい」「心落ち着く」場所です。
発展を遂げる山陽に比べ、人口も少なく、発展があまりなされない山陰は、
古いものがいつまでもいきつづける、懐かしい景色がいつまでも残っている。
方言や昔からの伝統文化が絶えることなく、いまでも継承され、息づいている。

そもそも山陰という言葉すら嫌う、差別的な感情を持つ方もいます。
山陽と比較することを嫌う方もいます。
この文章は、そうゆう方々にとっては苦痛でならないかもしれません、
あらかじめお詫びします。

僕は高2の夏休み、初めて鳥取県を訪れた。
中国地方へは、初めて。
関西や、九州は行ったことがあるが中国地方はよく新幹線で通るくらいで、
旅行はしたことがなかった。

その旅行は鳥取県のみで、おもに大山に登山、米子と鳥取のホテルに泊まり、
鳥取砂丘を観光し、帰りは山陰本線で京都へ、新幹線で東京へ帰った。
夕方、岡山から特急スーパーやくも中国山地を縦断し、
米子に着いた頃はすでに真っ暗。
米子の駅前はけっこう賑わっていた。
そして翌日の大山登山。ものすごい登山客で溢れていた。
なぜこれほど大山は人気なのかと首を傾げた。
山頂からは青い日本海、米子の街、遠くには松江や宍道湖が見える。
このあたりで大山は一番高い山で、見渡す限り絶景だった。

その後、山陰本線鳥取へ。鳥取駅近くのホテルで宿泊。
しかし鳥取駅前や周辺の商店街は夜7時ごろでも人の姿がほとんどない。
その時僕は「ここが県庁所在地?」と思ってしまった。
県庁所在地のイメージは、県でもっとも活気があり、お店もたくさんある感じだが
鳥取市はそのイメージを少し疑ってしまうくらいだった。
だがホテルの従業員が「今夜、河川敷で花火大会がありますよ」と聞き、
きっとみんな花火大会にでかけて街は静かだったのかとホッとした。
それが理由だかわからないが、あの時の鳥取駅のヒッソリ感には本当にびっくりした。

僕はまだ山陰では鳥取県しか行ったことがないので、山陰のすべてを語る権利はないが、
その鳥取旅行で一気に山陰のイメージができてしまった。
家に帰り、旅行の景色を想像していたら、鳥取の風景がとてつもなく恋しく思い、
今にでもまた行きたくなった。
あの大山の絶景、鳥取砂丘の神秘的な景色、そしてあの時の鳥取駅。
そのときから僕にとって鳥取はなんだか特別な場所になった。

そして来月、京都の舞鶴から日本海側に沿って鳥取、松江、出雲、萩へとわたる
旅行を計画している。
いわば「山陰旅行」といっていいものだろうか。

今にでもあの時の光景を思い出し、海沿いのローカル電車に乗りながら
日本海に暮れゆく夕陽を見届け、漁り火がぽっ、ぽっ、と灯る景色を見てみたい。

今度は初めて島根県へ訪れるので、さらなる山陰のイメージを膨らませたい。